今日から「生の間(せいのはざま)」展が開始。
3日間の公開制作と、最後の制作発表コンサートで構成されます。
長崎県の波佐見にあるギャラリー「モンネポルト」にて。
生と死、有機的なものと無機的なもの、生きているその瞬間に存在するものと向き合う。
ピアニスト重松壮一郎、現代美術家スズキジュンコ、フラワーアーティスト吉村舞がひとつの空間に一つの主題を昇華させるべく集うコラボレーション。3人の制作で完成されていく時空間「生の間」で、空間と音が動き出す特別イベント開催。
ずっとやってみたかった現代アートとのコラボレーション。
ずっとやってみたかった滞在制作。
ずっと取り組みたかった「生と死」というテーマ。
そして初めての公開制作。
フラワーアーティスト吉村舞さんに、「舞ちゃんにとって、花を切るということは、花の命を着るということは、どういうことなの?」と問いかけたことが、すべての発端。
大切な友人である舞ちゃんだかこそ、その答を胸に、仕事をして欲しかったから。
ほんとうに花が好きなら、野に咲くままにほっとしておいたほうがいいでしょう?
でも、なぜ、あなたは花を切るのか。それを職業にするということは、どういうことか、聞きたかった。
舞ちゃんが、10年前にこの仕事を始めた時に考えて、でも答えを出せずにそっと蓋をしておいたこと。その蓋を、僕が開けた。開けてしまった。
それは、舞ちゃんを苦しめた。
開催が決まってから、体調もひどく崩し、精神的にも苦しい日々が続いた。
舞ちゃんは僕をひどく恨んだかもしれない。
でも、大切な友人だからこそ、立ち向かって欲しいなと僕は思ってた。
舞ちゃんからすると、ゆっくり出したかった答えを、僕に急かされた。
でもこれは、自分への問いかけでもある。
自然に生きていた樹木の命を奪って、作られたピアノという工業製品。
それを弾くことを職業にする僕。
ずっと続けたメールでのやりとり、電話。
ひとつ見えてきた答え。
「生きるための純粋な行為」
舞ちゃんにとって、花こそが生きる理由。花に生きる人生。花に捧げた人生。
僕にとって、音楽こそが生きる理由。音楽に生きる人生。音楽に捧げた人生。
僕らが、動物として、生き物として、命あるものとして、
生きるための純粋な行為として、それらにたずさわるなら、
息をするように、それらに触れるなら、それは生きるために必要な純粋な行為なのではないかと。
ただ、ほんとうの答えは、最終日の制作発表コンサートまで、出さないでおこうと思う。
初日は、試行錯誤に始まり、壁にぶつかり、
作っては3人で相談する日だった。
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