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白鳥


今日で短い東北ツアーも終わり。
朝早く、良磨さんがある池に連れて行ってくれた。

この池には、シベリアの白鳥たちが越冬しに来ている。
とても寒い山形の冬だけど、白鳥にとってはシベリアよりは暖かいんだね。


白鳥


白鳥たちは外敵から身を守るため、夜は池の上で過ごす。
でも昼間は田んぼで、稲の根っこなどを食べるので、
朝、凍った地面が溶ける時刻になると、次々に田んぼへと飛び立つ。


池についてみると、まず飛び込んで来たのは、白鳥たちの鳴き声だった。
小さな声が、たくさんたくさん重なり合っている。

池一面にいる白鳥たち。鴨もいる。
みんな、鳴いている。

そして、次々に飛び立っていく。
飛んでいるときも、きゅんきゅんと高い声で鳴くんだ。


白鳥


白い美しいその体。
まっすぐに飛んでいく。
大空をまっすぐに。


白鳥


春が来たらまた3000キロ離れたシベリアへと、帰っていく。
そのためにも、体が鈍らないように、毎日、田んぼと池を往復する。
白鳥はそれを本能で知っているんだね。


逆に、観光目的、鑑賞のために、池で餌付けされてしまっている白鳥は、
シベリアに帰る途中で、力尽きてしまうらしい。
そして、その死体を解剖すると、内臓がひどく腐ってしまっているらしい。
それほど、人間の与える餌は、有害物質を含んでいるのだ。
人間のエゴのために、殺されるたくさんのいのち。


白鳥


いま、僕が見ているこの白鳥たちの美しさは、
そんな人間たちの思惑なんて通り越した、
純粋な、純粋な、生き物のすがた、いのちのすがた。


きゅんきゅんというかん高い鳴き声が、
いつまでも心から離れなかった。


さようなら、白鳥たち。
また来年、会いましょう。


白鳥
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